ereminのブログ

海外ドラマや映画の感想について書いていきます。海外ドラマlover!

フレッシュアンドボーン(シーズン1)を観た

主演女優がゴールデングローブにノミネートされた海外ドラマ、『フレッシュアンドボーン』をAmazonプライムビデオで観ました!

 

アメリカでは有料チャンネルStarzにて、2015年に全8話を放送済みです。日本ではAmazonプライムビデオ独占配信となっています。

 

<あらすじ>

家出少女クレアは夢を追うため、ニューヨークへ飛び出してバレエカンパニーに入団、秘めた実力を魅せつけることによって他の熟練ダンサーを押さえ、晴れてソリストに選ばれるというシンデレラストーリーです。いやいや、シンデレラストーリーとは言ってもバレエ界の知られざる裏側や、兄と妹の禁断の関係などかなりダークな面もこの作品は積極的に描こうとしています。むしろそっちが本題ですね。

 

運よくバレエ団に入ったは良いものの、そこでクレアを待ち受けていたのは独裁的で横暴な指導者やクレアを蹴落とすことに必死なライバルたち。ルームメイトのミアはクレアの才能に嫉妬し、冷たく接します。唯一クレアに近づいてきた団員のダフネも夜はストリップクラブのダンサーという裏の顔を持っています。のちにクレアもそのクラブのダンサーになり、経営者のマフィアと繋がりを持ってしまいます。一方でなにやらクレアとこじれた関係のありそうな兄ブライアンもクレアを探すため、ニューヨークへ旅立ちます。

 

リアルなバレエ界を知らないので本当はどうかなんて微塵も知りませんが、このドラマのバレエ界はとにかくドロドロで官能的。あちこちで嫉妬が渦巻いています。男も女も笑

 

<キャスト>

 

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主人公クレアを演じるのはバレリーナのサラヘイ。撮影時20代後半のはずなんですが華奢な体だからか童顔だからかかなり若く見えますね。彼女はこの役でゴールデングローブや批評家協会テレビ賞などにノミネートされています。また、アカデミー賞5部門にノミネートされ、同じようなテーマを扱った映画『ブラックスワン』にもチョイ役で出演しているみたいです。

 

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クレアの所属するABC(アメリカン・バレエ・カンパニー)の舞台監督ポールを演じるのは、海外ドラマ『ハウスオブカード』やスターウォーズのスピンオフ映画『ローグワン』で有名なベン・ダニエルズ。まあかなり横暴な役柄なんですが、バレエ団はこの人が動かしているので誰も逆らえません。この人に意見できるのはバレエ団初期に貢献したダンサーのドン、キーラくらい。

 

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ABC(アメリカン・バレエ・カンパニー)のプリマ、キーラを演じるのは、イリーナ・ドヴロヴェンコ。彼女もサラと同じく演技経験は浅く、出演作品は少ないですが、日本にまだ上陸していないジ・アメリカンズS5(好きなドラマ!)に数話出演しているみたいです。いやーこの方は風格がありますね。キーラはプライドも高く、女王様気質なんですがおかれている状況から彼女の嫉妬や苛立ちもなんとなく理解できてしまうキャラクターです。

 


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NYCでクレアのルームメイトとなるミアを演じるのはエミリー・タイラー。彼女もまだ出演作は多くありませんね。テレビで大きな役をもらったのは『フレッシュアンドボーン』のミア役が最初だったようです。S2でキャンセルされてしまったようですが、最近までCBSの『Code Black』に出演していました。

 

<感想>

テンポが良い!

このドラマ、ポンポンとテンポよく進んでいくのでとても見やすいんです。一転、内容はかなり衝撃的で、エロティック。男女関係なく出演者の脱ぎっぷりが凄いです。大人のドラマですね。題材は近親相姦やドラッグ中毒、違法風俗、児童労働、介護問題、横領などかなりダークでバラエティに富んでいます、ええ…ええ。しかもこれがかなりマミーポルノライクに描かれているんですよ!官能的で美しく刺激的で、過剰に嫌悪感を煽らないよう上手くまとめられていると思います。良い意味でも悪い意味でもこれらの社会問題を扱う上でのリアリティは薄く、全てエンターテインメントの一要素として楽しむような作品ですね。

 

主人公が内気

このドラマの一つの特徴は主人公クレアがとても内気なところです。世間をあまり知らなさそうなうぶな女の子。 たまに大胆な行動をとったり、そこからの成長も描かれていくんですが、基本は受け身です。少女漫画の主人公みたいな。視聴者にとっては親しみやすいキャラクターだと思います(他の登場人物は傲慢でプライド高いか変態)。個人的にはクレアのスタンスの分かりにくさを感じたので、もっと成長してフル強化された積極的なクレアも見てみたかったですね。

 

バレエ  

このドラマの大きな盛り上がりである終盤のバレエシーンは圧巻です。人間ってここまで身体のみで表現することができるんですね、ダンサーの方々の繊細さ・しなやかさに目が離せませんでした。バレエを通して演技するシーンも多いので感情の高まりが伝わりやすいのはこのドラマのいいところだと思います。そこだけを切り抜くと歌をバレエに代えた『glee』のようですね(ここまで読んでもらったらわかる通り内容やテイストは全っ然違いますよ!)。

 

S1で打ち切り

残念ながらS1で打ちきりなのでS2に持ち越されたであろう謎が明かされぬまま終ってしまいました…。良い人なのか狂ってるのかバカすぎるのか分からないホームレスのロミオや(あのロミオは唐突すぎますよ、主人公のためを思って最終的にストーリーを大きく動かすような行動をとるんですが、正直主人公周辺の物語を進めるための都合の良い駒にしか見えなかったです)、大きな問題を抱えるミアの行く末、クレアとブライアンの関係も本当のところはよくわからないままですね。正直、ストーリーに無理やり感を感じることが少なくなかったのでS2でそこの抜けを説明してもらいたかったです。

 

このドラマは終わってしまいましたが、キャスト陣、特に主役を演じたサラ・ヘイさんの今後には注目していきたいと思っています。